北海道移行期医療支援センター長
新野 正明
『病気と付き合っていく』
これは成人であっても小児であっても長期にわたる病気を持っている場合は共通の課題となります。成人期発症の病気は基本的に成人診療科でのフォローとなり、医療機関や医師の変更があってもそれほど大きな問題にはなりません。一方、小児期発症の病気により、長く小児科でフォローされてきた患者さんが成人診療科に移行する場合は様々な課題がありスムーズに行かないことがあります。そこで小児期発症の患者さんが成人になったとき、どのような医療を受けるのが適切か成人診療科への転科や併診を見据えながら、本人・家族、そしてまわりの医療者が少しずつ準備していくのが移行期医療です。
移行期医療をすすめるためには、クリニックや在宅診療などのかかりつけ医・専門診療医・急性期疾病への後方支援病院などの連携のほか、行政や福祉、就労支援など多職種で共働することが重要です。また移行期医療を実現するためには、小児診療科から成人診療科への移行に関わる医療体制の整備と患者さん自身が移行していくための自律(自立)への支援の2つを行う必要があります。
当センターでは、切れ目ない支援体制づくりを行い移行期医療がスムーズにできるよう各機関と連携をとるとともに、患者自らヘルステラシーを獲得し自身で医療管理を行っていけるよう成長・発達に応じた支援活動を行っていきます。
センター長 新野 正明
2023年8月1日より北海道移行期医療支援体制整備事業として、北海道からの委託を受けて、北海道医療センター内に北海道移行期医療支援センターを設置いたしました。院内での呼称は「小児慢性特定疾病・在宅・移行期医療支援センター」としました。主に小児慢性特定疾病について、移行期年齢に差し掛かった方に対して、1)自律(自立)支援、2)医療体制整備を提供していきます。そのために、医師とともに移行期医療支援コーディネーターも配置いたしました。道内の患者及び医療機関に対して、適切な移行が進むよう支援していきたいと思います。
移行期医療相談 | 移行期医療支援コーディネーターによる個別相談、北海道医療センターにおける移行期医療支援外来の実施 |
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移行期医療ネットワークの構築と連携 | 道内各地のクリニック、在宅医療機関、総合病院、基幹病院の小児診療科、成人診療科と連携を図る |
就労・就学支援や行政制度の情報提供 | 他職種、行政と連携を図り、適切な福祉、サポートへつなげていく |
啓蒙、広報 | 全道域へ医療従事者と関係者向け研修会、講習会の開催 |
相談シート(エクセル:32KB) |
相談シート(PDF:512KB) |
相談シート(記入例) |