当院小児腎臓病センターは、北海道内の小児腎疾患診療の専門施設です。また小児遺伝代謝センターは北海道では唯一の先天性代謝異常症などの遺伝性疾患の診療および遺伝カウンセリングを行う専門施設です。
急性感染症(気管支炎、肺炎、胃腸炎など)、腎臓疾患(ネフローゼ症候群、腎炎、IgA腎症、紫斑病性腎炎、腎不全など)、気管支喘息、てんかん・けいれん精査、内分泌代謝疾患、中枢神経感染症、川崎病、消化器疾患、リウマチ、先天代謝異常、遺伝性疾患。
腎臓病・代謝異常症・内分泌を中心に、小児科一般を広く診療しております。お子さんの病気や心配なこと困っていることがございましたら、かかりつけ医の先生とご相談いただき、紹介状(診療情報提供書)をお持ちのうえ受診ください。学校検尿精査で当科を直接受診希望の場合は、学校から渡される『尿検査結果のお知らせ』を必ずご持参ください。
*北海道医療センター小児科は慢性疾患の子どもたちを応援します*
専門外来では、各分野の専門医がそれぞれ腎疾患・透析、小児神経疾患・てんかん、アレルギー、代謝内分泌・遺伝性疾患を担当します。ネフローゼ症候群、IgA腎症や紫斑病性腎炎などの慢性腎臓病、急性糸球体腎炎、慢性腎不全、急性腎不全、先天性代謝異常症、てんかん等の疾患の外来および入院診療を行っています。入院治療が必要な場合には、渡り廊下で隣接している市立札幌山の手支援学校に通学できます。できるだけ入院期間を短くし、普通学校への早期復帰を支援します。市立札幌山の手支援学校は院内学級ではなく、正式な学校です。午前も午後も授業があり、できるだけ入院による学習の遅れが生じないようにしています。慢性疾患外来は午後にも予約枠を設け、通学との利便性を図っています。また一般の風邪やインフルエンザなどの急性感染症患者との接触をできるだけ避けてうつりにくくし、安心して受診できるようにしています。
*成育医療ネットワーク*
小児疾患を成人期へキャリーオーバーした患者様の総合的かつ継続的医療(成育医療)を目指しております。全国の成育医療関連施設や国立成育医療研究センターとネットワークを組み、新しい診断や治療法の導入、研究成果の日常診療への還元を目指しています。
小児疾患の入院は主に成育・女性医療センター(3-1病棟)が担当しています。小児救急に関しては西区唯一の病院小児科として積極的に取り組み、札幌市の小児科二次救急輪番に参加しています。また西区や近隣の開業の先生からの入院依頼に常時対応しております。症状経過や疾患の特殊性に応じて救命救急センター(3次救急)、神経・筋センター、心のケアセンターなどの入院病棟を利用して他科の専門医と協力しながら診療することも可能です。
北海道医療センターとなってからの小児科の平均在院日数は7.9日、紹介率が85%、逆紹介率が59%前後で推移しています。急性期疾患を中心とする地域の基幹病院ですので入院患者の3分の2が感染症を主とする急性疾患です。長期入院の必要な子供達は併設している市立札幌山の手支援学校(小学部~高等部)への通学も可能です。
北海道では唯一の先天代謝異常症などの遺伝性疾患の診療および遺伝カウンセリングを行う専門施設です。北海道、札幌市における新生児マススクリーニングでの検査コンサルティングを引き受けており、スクリーニング陽性者に対しての、精査・診療を行っています。
こどもの病気は、原因がよくわからない身体発育や精神発達の遅れを示すことがよくあります。その中に、先天性代謝異常症、神経変性疾患などの様々な遺伝的な病気が含まれております。国内の専門機関と協力して、代謝産物の分析、染色体検査、遺伝子診断などを行っています。
脳の神経細胞の集団が、異常な電気活動をすると、手足がけいれんし、意識がくもって名前を呼ばれても正しく答えられなくなります。こうした症状の代表が「てんかん」発作です。神経の電気活動の様子は、脳波検査でかなりの程度わかります。治療で発作が消失する場合も少なくありません。また、てんかんに似て、そうでないものもありますので、気になる症状が認められた時にはご相談ください。小児神経疾患は、札幌医大小児科講師として活躍され,現在は中の島診療所院長の若井医師が脳波外来(水曜日午後,完全予約制,月3回)を担当しています。
氏名・職名 | 認定資格 | 主な専門分野 |
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あらき よしのり
荒木 義則 医長 |
日本小児科学会専門医・認定指導医 日本腎臓学会指導医・専門医 日本透析医学会指導医・専門医 |
小児腎疾患・腎不全・透析 |
たなか とうじゅ
田中 藤樹 小児慢性特定疾病・在宅・ 移行期医療支援センター長 神経筋・成育センター副センター長 医長 |
日本小児科学会専門医・認定小児科指導医 日本人類遺伝学会 日本遺伝カウンセリング学会臨床遺伝専門医・指導医 |
小児科 先天代謝異常 臨床遺伝 重症心身障害 在宅・移行医療 |
かわぐち あづさ
河口 亜津彩 医長 |
日本小児科学会専門医・指導医 日本腎臓学会専門医・指導医 |
小児腎疾患・腎不全・透析 |
にしの こうへい
西野 貢平 医師 |
日本小児科学会専門医 | 小児科全般 小児内分泌 |
すなが あやか
須永 彩佳 医師 |
小児科一般 | |
まつい たくや 松井 拓弥 医師 |
小児科一般 | |
若井 周治
脳波外来担当医師 |
日本小児科学会専門医 日本小児神経学会専門医 日本てんかん学会専門医 |
小児神経、てんかん |
氏名・職名 | 認定資格 | 主な専門分野 |
ながお まさよし
長尾 雅悦 遺伝子解析研究室 地域医療連携室コーディネーター 小児遺伝代謝センター シニア医師 |
日本小児科学会専門医・責任指導医 日本人類遺伝学会 日本遺伝カウンセリング学会臨床遺伝専門医 日本人類遺伝学会GMRCシニア 小児栄養消化器肝臓認定医 認定病院総合診療医 |
代謝・遺伝性疾患 |
腎生検、超音波検査、透析医療(腹膜透析、血液透析)、カクテル療法、ステロイドパルス療法
代謝プロフィール解析、遺伝子検査、酵素補充療法
腎生検:12件(うち6歳以下 3件)
遺伝子検査:29件
疾患別入院数(2021年度)
下気道感染症(89)気管支喘息(11)急性扁桃炎等の上気道感染症(35)COVID-19(36)消化管感染症(36)川崎病(9)てんかん(4)熱性けいれん(6)無熱性けいれん(3)ドラベ症候群(2)低身長(7)低ガンマグロブリン血症(36)ケトン性低血糖症(9)伝染性単核症(3)IgA血管炎(3)運動発達遅滞(3)不明熱(3)卵アレルギー(3)過敏性腸症候群(2)緩徐進行1型糖尿病(2)気管狭窄症(2)起立性調節障害(2)新生児嘔吐(2)中等度栄養失調症(2)腸重積症(2)溶連菌感染症(2)1型糖尿病(1)PFAPA症候群(1)ぶどう球菌性熱傷様皮膚症候群(1)メッケル憩室(1)頚部化膿性リンパ節炎(1)蜂巣炎(5)急性虫垂炎(1)急性脳症(1)牛乳アレルギー(1)口腔アレルギー症候群(1)組織球性壊死性リンパ節炎(3)自己免疫性好中球減少症(1)手足口病(1)周期性嘔吐症候群(1)侵襲性肺炎球菌感染症(1)睡眠時無呼吸症候群(1)性腺機能低下症(1)仙腸関節炎(1)多形滲出性紅斑(1)腸管出血性大腸菌感染症(1)低酸素性脳症(1)特発性血小板減少性紫斑病(2)二次性肺高血圧症(1)発達遅滞(1)病的肥満症(1)片頭痛(1)部分型中枢性尿崩症(1)便秘症(1)無菌性髄膜炎(1)夜尿症(1)癒着性イレウス(1)卵巣腫瘍(1)上部尿路感染症(腎盂腎炎)(28)突発性発疹症(8)アナフィラキシー(5)慢性糸球体腎炎(含IgA腎症)(9)紫斑病性腎炎(4)ネフローゼ症候群(ステロイド感受性、頻回再発型、ステロイド依存性、ステロイド抵抗性)(21)慢性腎不全(1)急性腎不全(1)尿細管性蛋白尿症(1)ムコ多糖症II型(52)ハーラー症候群(2)フェニルケトン尿症(2)ムコ多糖症IVA型(2)アルギニノコハク酸尿症(1)ウイルソン病(1)シトリン欠損症(1)MELAS症候群(1)ホモシスチン尿症(1)ミトコンドリア病(1)ムコリピドーシス3型(1)原発性高カイロミクロン血症(1) 計527
2023年度臨床研究業績一覧(著書・総説・原著・講演・学会発表)
小児医療の集約化・重点化の流れの中で、診療所(開業医)と病院小児科(勤務医)による病診連携が必須となるのは言うまでもなく、プライマリーケアから救急までその範囲は多岐に及んでいます。当科では連携する各医療機関にニーズに合わせた対応をするように心がけて参ります。たとえば脳波を依頼される場合は専用の時間枠を設け、専門外来と同時に受診できる様にする、診療所が休診の際に治療や経過観察を行うなど様々なケースがあります。また当科に紹介いただいた患者さまの診療情報を迅速に提供するようにし、画像関連の情報はインターネットを介して紹介元のクリニックでもご覧になれるシステムを準備しております。通常の診療時間で入院紹介などお急ぎの場合はDr to Drでご連絡ください。時間的に余裕のある場合は、地域医療連携室が窓口となっておりますので、是非ご活用ください。時間外、休日の入院が必要になった際は、事務当直、当直医、当直師長を介し小児科医へ連絡をとり受け入れるようにしております。
3階・小児科プレイルームでは保育士と共に季節ごとの行事を実施しています。例年のようにはいかない状況ですが、そんな中でも子どもたちに楽しんでもらえることをみんなで考えています。
2024年11月5日