2023年6月 緩和ケア室
がんを告知されたとき、家族にどう伝えるかは誰もが悩む問題です。特にお子さんに対しては「心配させたくない」「迷惑をかけたくない」という気持ちから、いつ、どう伝えるのかを思い悩むことも多いでしょう。がんの治療は長期にわたることも多いため、家族のサポートと理解を得ることはとても大切です。ここではお子さんへの伝え方について考えてみます。
子どもはたとえ幼くても家族の変化を敏感に感じ取っています。いつもとは違う親の雰囲気に不安を感じているかもしれません。事実を知らされずにいることで、実際以上に悪い想像を膨らませ、大きな不安感に苦しんでいることもあります。親の病気について知ることは、知らされずにいるよりも、「自分はここにいてもいい」「すぐにこの生活が壊れるわけではない」という安心感につながると言われています。
まず「大事なことを話したい」と伝えてみます。お子さんが「聞きたくない」というときには無理をせず、「話ができそうなときはいつでも言ってね」と子どもの気持ちを尊重します。そして、落ち着いて静かに話せるタイミングと場所を選びます。
緩和ケアはがんと診断されたときから必要に応じて行われます。治療中の不調や気分の落ち込みなどの問題が患者さんの日常生活を妨げることがあります。患者さんが生活の質を維持して、自分らしい生活送ることができるよう、さまざまな職種が協力してサポートしていきます。