2023年10月 緩和ケア室
人は誰もが命に係わる病気やケガをする可能性があります。そんな状況になったとき、約7割の人は自分がどんな医療やケアを受けたいのか伝えるのが難しくなると言われています。「そうなった時に考える」では間に合わないことが多いのです。
人生の最終段階で何を大切にしたいのか、どんな医療やケアを望んでいるのかについて、家族や信頼する人たちと話し合っていくことで、あなたの考えに沿った医療やケアを受けられる可能性が高くなります。なかなか話しにくい話題かもしれませんが、元気に過ごせている時こそ、力まず、ざっくばらんに話し合うチャンスです。もしものときのことについてヒントに沿って考えてみましょう。
もしものとき、どんな医療行為を受けたいのか伝えられないケース
❶もし、生きられる時間が限られているとしたら、あなたはどんなことを大切にしたいですか(いくつでも)
❷これまで身近な方が重体や危篤になったときの経験を思い出してみてください。ドラマや映画で見たシーンでもかまいません。
❸もし、自分の意思を伝えられなくなったり、自分では決められなくなったときに、あなたの代わりに医療やケアについて話し合えるのはどなたですか?
より詳しく考えてみたいという方は緩和ケア室で資料を用意していますのでお声がけください。
ヒントをもとに考えたことは、ぜひ家族や周囲の方たちと話し合ってみてください。次のようなタイミングであれば自然な流れで話しやすいようです。
最初は世間話からで大丈夫です。まずはご本人が何を大切にしたいと思っているのか、 これまで何を大切にしてきたのかという価値観を一緒に話し合ってみましょう。
もしものときのどうするのかという考えは、心身の状態や周囲の状況によって常に変化して いくものです。主治医や病院スタッフとも情報を共有しながら一緒に考えていきましょう。
緩和ケアはがんと診断されたときから必要に応じて行われます。治療中の不調や気分の落ち込みなどの問題が患者さんの日常生活を妨げることがあります。患者さんが生活の質を維持して、自分らしい生活送ることができるよう、さまざまな職種が協力してサポートしていきます。