2023年12月 緩和ケア室
抗がん剤治療の副作用のしびれは末梢神経障害の一つで、治療中に多く見られる症状です。「手足がビリビリする」「感覚がおかしい・鈍い」「少しの刺激でビリッとする」「力が入らない」など、症状の出方は人それぞれです。治療中にこれらの症状が現れた場合、まずは医師や看護師にご相談ください。
治療修了後にしびれが改善する時期は個人差が大きく、月単位とも年単位とも言われています。そのため、いつまでこの症状が続くのかと不安になる方も多いのではないでしょうか。 今回は、しびれ症状のつらさをやわらげ、日常生活の困りごとを減らしていくための工夫をお伝えします。
血行が良くなるとしびれがやわらぐことが多いようです。ゆるく体をしめ付けない服や靴下を着用し、次のような方法を試してみましょう。
動かしてみる
温めてみる
手足にしびれがあると日常生活で思わぬトラブルが起こることがあります。不便なく安全に暮らせるように次のような工夫を取り入れてみましょう。
熱を感じにくくなるため、熱いものに触れるときには注意が必要です。
指先の感覚が今までと違うことで思わぬケガをすることがあります。
足先や足の裏の感覚が伝わりにくく、転びやすくなります。
しびれがあると普段の何気ない動作が負担になることがあります。
しびれは日常生活への影響が大きく、長く続くと、不安や気持ちの落ち込みにつながりやすくなります。ちょっとした手助けで動作が楽になったり、できることの範囲が広がるため、患者さんに何か手伝えることはないか声をかけてみてはどうでしょうか。
ご本人が変化に気付かないこともあります。物を落とすようになった、転びやすくなったなどの変化が見られたら、医師や看護師にご相談ください。
緩和ケアはがんと診断されたときから必要に応じて行われます。治療中の不調や気分の落ち込みなどの問題が患者さんの日常生活を妨げることがあります。患者さんが生活の質を維持して、自分らしい生活送ることができるよう、さまざまな職種が協力してサポートしていきます。