2024年6月 緩和ケア室
なかなか寝付けない、夜中に目が覚めて眠れなくなる…病気の治療中や入院中は、こんなつらさを抱える方が多いのではないでしょうか。睡眠は体の回復のためにも、心の健康のためにも不可欠ですが、なかなか思い通りにならないものです。今回は眠れないときにベッドに横になったままできるリラックス法を紹介します。これらの方法は眠れないときだけでなく、緊張しているときや不安なときにも気持ちを落ち着ける効果があります。
人はストレス状態にあるとき、無意識のうちに体に力が入り筋肉が緊張しています。漸進性筋弛緩法は意図的に「筋肉に力を入れる→ゆるめる」を繰り返すことで心身のリラックス状態を作り出す方法です。
姿勢はベッドで横になった状態でも椅子に座ったままでも大丈夫です。
順番にしたがって体の部分に思い切り力を込めて緊張させます。そのあと、ストンと力を抜いて筋肉をゆるめて、ゆっくりと呼吸しながら筋肉がじわじわとゆるんでいく感覚を味わいます。
眠たくなったら途中で眠ってしまってもかまいません。
ゆっくりした呼吸を意識することは、それだけでもリラックス効果があります。息を吸うときにお腹がふくらみ、吐くときにお腹がへこむ腹式呼吸を取り入れてみましょう。息を吐くときに不安や緊張、疲れなどが口から外に出ていくイメージを持つとより効果的と言われています。
❶ 「1・2・3」で鼻から大きく息を吸ってお腹をふくらませます
❷ 「4」で一度軽く止めて
❸ 「5・6・7・8・9・10」で口からゆっくりと吐き、お腹をへこませます
緩和ケアはがんと診断されたときから必要に応じて行われます。治療中の不調や気分の落ち込みなどの問題が患者さんの日常生活を妨げることがあります。患者さんが生活の質を維持して、自分らしい生活送ることができるよう、さまざまな職種が協力してサポートしていきます。