2025年2月 緩和ケア室
がんの治療をしている患者さんの3分の1が、不安などの心のつらさを抱えていると言われています。中でも再発の心配は不安の大きな部分を占めるとされています。患者さんからは、ちょっとした身体の変化があると再発や転移なのではないかと気になってしまうという声がよく聞かれます。ここでは、不安を抱えながらも毎日を過ごしていくためにどんな工夫ができるのか考えてみます。
人によって性格が異なるように、不安への対処法も人それぞれです。複数の方法を試して自分に合ったものを見つけていくことをおすすめします。
不安が強い状態が長期間続くと心身ともに疲れてしまいます。まずは短時間でも不安から離れられる時間を確保してみましょう。
人はわからないことに直面するときに不安や恐怖を感じる傾向があります。気持ちの余裕があるときに、病気のことや生活をサポートしてくれる支援制度の情報を集めてみましょう。知識を得ることで気持ちが落ち着くかもしれません。
いろいろ試してみても不安が続いていて、次のような症状が出ているときには主治医や看護師に相談してみましょう。必要に応じて心のケアの専門家につないでもらい、お薬やカウンセリングなど、こころを休ませる方法を一緒に考えていくことができます。
不安や気持ちの落ち込みでふだんの生活がうまく送れなくなっていると感じたら、相談のタイミングです。
緩和ケアはがんと診断されたときから必要に応じて行われます。治療中の不調や気分の落ち込みなどの問題が患者さんの日常生活を妨げることがあります。患者さんが生活の質を維持して、自分らしい生活送ることができるよう、さまざまな職種が協力してサポートしていきます。