2025年4月 緩和ケア室
介護保険というと高齢の方や寝たきりの方を対象としているイメージがありますが、実はがん患者さんも制度を利用することができます。病気や治療の影響で身の回りのことがうまくできなくなったときでも、この制度を使うと、自宅での療養をサポートしてもらいながら、自分らしい生活を送ることができます。今回はこの制度の概要を紹介します。
がん患者は、65歳以上で介護が必要な状態になった場合と、40歳から64歳までの間で回復が難しいと医師が判断した場合が対象となります。
上記はあくまで一例になります。利用できるサービスは「要介護1」「要支援2」のような介護区分によって異なります。また、サービス利用には収入額に応じて1~3割の自己負担が発生します。
65歳以上になると市町村から介護保険の被保険者証が届きますが、これだけではサービスを利用することはできません。介護が必要なことを市町村に認めてもらうために要介護認定を受けます。
市町村に介護保険の申請をしてから要介護認定の結果通知を受け取るまでは約1か月かかりますが、がん患者の場合は、すぐ在宅介護サービスが利用できるよう手続きを迅速化する特例が適用されることがあります。
がん患者さんで介護サービスの利用を考えてみたいと思っている方、自分が制度の対象になるのか知りたい方は、地域医療連携室にご相談ください。
緩和ケアはがんと診断されたときから必要に応じて行われます。治療中の不調や気分の落ち込みなどの問題が患者さんの日常生活を妨げることがあります。患者さんが生活の質を維持して、自分らしい生活送ることができるよう、さまざまな職種が協力してサポートしていきます。