2025年6月 緩和ケア室
がんの治療では髪の毛や体毛が抜け落ちることがあります。どの程度脱毛が起きるのかは治療内容によって異なり、個人差も大きいと言われていますが、脱毛による見た目の変化は気持ちにも大きな影響を及ぼします。ここでは、脱毛の可能性があると言われたとき、がんの治療前と治療中にどんな対策ができるのかを紹介します。
がん治療の一部の薬剤は、細胞分裂が活発な細胞に働きかけます。毛の根元にある毛母細胞は日々分裂を繰り返して成長しているため、薬物療法 の影響を受けやすいと言われています。
自分が受ける治療で脱毛が起こるのかどうか、治療はどのくらいの期間になるのかを医師や看護師に聞いておきましょう。 治療内容によっては脱毛が起きない場合もあります。
ウィッグは比較的手ごろなものから高額なものまでさまざまです。あわてて準備する必要はありません。まずは院内のがん相談支援室で情報を集めて、試着してみることをおすすめします。
よく泡立てたシャンプーで力を入れずに洗います。タオルでやさしく押さえて水分を吸収してからドライヤーを使い、頭皮が乾燥しないよう化粧水や保湿液を使用します。赤みや発疹、かゆみなどがないかチェックし、変化があれば医師や看護師に相談しましょう。
札幌市はウィッグや毛つき帽子等を対象として購入費用の助成をおこなっています。ウィッグの上限金額は3万円で、1人1回に限り申請することができます。申請方法などの詳しい情報は札幌市のホームページをご覧ください。
道内では札幌市のほかに、旭川市、函館市、伊達市などがウィッグ等の助成をおこなっています。
緩和ケアはがんと診断されたときから必要に応じて行われます。治療中の不調や気分の落ち込みなどの問題が患者さんの日常生活を妨げることがあります。患者さんが生活の質を維持して、自分らしい生活送ることができるよう、さまざまな職種が協力してサポートしていきます。