2026年2月 緩和ケア室


病気の治療中や家族の看病をしていると、思いどおりにならないことがたくさんあります。ふだんであればさらっと受け流せることも、体調がつらかったり、痛みがあったりするとあっという間に心が容量オーバーになってしまいます。怒りの感情は周囲の人たちとの関係を難しくするだけでなく、心拍数や血圧を上げたり、お腹の消化活動が低下したりと身体にも悪影響を及ぼすと言われています。ここではそんなイライラ・モヤモヤへの対処法を紹介します。
イライラや怒りの感情を持つとき、まずは一歩立ち止まって自分の中で何が起きているのかに注意を向けてみましょう。たとえば、相手が遅刻したことに怒るとき、その背景には自分が軽んじられたような悲しみや寂しさがあるのかもしれません。あるいは、「約束は絶対に守るべき」という「~べき思考」があり、考え方がかたくなになっているのかもしれません。自分の気持ちを理解できると怒りが少しだけやわらぎます。
怒りやイライラといった感情は心も身体もエネルギーを消費します。ストレスを受けたときに、それが「重要かどうか」「自分で変えられるかどうか」で分けて考えると、対処法が見えてきます。重要ではないことや自分では変えられないことは「怒ってもしかたがない」と受け流して、心と身体の省エネを目指しましょう。
頭に血がのぼって相手にきつい言葉を言ってしまいそうになるときは、次の方法を試してみましょう。
❶ ゆっくり6まで数える
6秒立ち止まってみると、理性が働いてくると言われています
❷ 深呼吸する
鼻から吸って口から細くゆっくりと吐きます
❸ 次の言葉を唱えてみる
「一回ストップ」「大丈夫、大丈夫」「こんなときもある」
イライラ・モヤモヤした気持ちを相手にわかってもらいたいとき、関係を壊さずに伝える方法が「私」を主語にする I メッセージです。「あなた」を主語にして伝えるYouメッセージは、相手を責める意味を持ちやすいのですが、「私」を主語にして話すことを意識すると気持ちがスムーズに伝わりやすくなります。
Youメッセージ
I メッセージ
緩和ケアはがんと診断されたときから必要に応じて行われます。治療中の不調や気分の落ち込みなどの問題が患者さんの日常生活を妨げることがあります。患者さんが生活の質を維持して、自分らしい生活送ることができるよう、さまざまな職種が協力してサポートしていきます。