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モバイルCTナビゲーション装置の日本初導入による安全な高度脊椎手術

写真:日本初導入されたモバイルCTナビゲーションシステム

 本院では、思春期特発性側弯症をはじめとする小児期の脊柱変形や骨粗鬆症に伴う脊柱後弯変形などの成人脊柱変形手術を積極的に行っています。また、脊柱変形のみではなく、脊椎脊髄外傷や難治性脊椎感染症などの難しい病態の患者様を数多く紹介いただいています。このような困難な脊椎再建手術においては、正確に脊椎インプラントを設置する技術が必要で、それに対するナビゲーション下脊椎手術が急速に発展しています。本院では、令和4年秋に日本初のモバイルCTナビゲーション機器(ストライカー社製、AiroモバイルCTナビゲーション装置)を導入し、より安全性の高い高度先進脊椎手術を実践しています。

 この装置は、高精度の移動式CT撮影装置を手術室で稼働し、その画像データをリアルタイムに使用することができる画期的な機器であり、他の先進諸国でも使用が開始されています。特に海外ではCOVID-19感染への対応で、ポータブルCTによる感染症患者と一般患者の動線を分ける医療に注目が集まりました。導入初年度は、難易度の高い脊椎疾患や脊椎外傷の治療に使用を開始し、脊椎インプラント設置の精度の向上、出血量の軽減、患者様への放射線被曝の軽減などに役立っています。

2023年7月
北海道医療センター
整形外科

あらゆる年齢層の背骨や脊髄に関する専門的診断と治療を行います。頚椎、胸椎、腰椎のさまざまな疾患の診断と治療を行います。頚椎の病気では、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症や脊髄症、後縦靱帯骨化症による脊髄症、腰椎では腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離すべり症や変性すべり症などが一般的な疾患ですが、中高齢者の骨粗鬆症に伴う脊椎骨折、成人の脊柱変形の診断と治療も行っています。結核性脊椎炎や化膿性脊椎炎などの、脊椎の感染症に対する最少侵襲治療も行っております。脊髄や脊髄の腫瘍、スポーツなどによる背骨の外傷ならびに脊髄損傷に対する診断と治療も行っています。 担当医師は、経験豊かな日本脊椎脊髄病学会外科指導医で同学会の役員です。

小児の脊柱変形の専門的診断と治療を行います。先天性脊柱側弯症をはじめとする早期発症側弯症、学童期に多い特発性側弯症の診断と専門的治療はもちろん、さまざまな基礎疾患に伴う背骨の変形の診断と治療を行っています。治療では、装具治療や脊柱変形矯正手術を行っています。学校検診で脊柱変形の疑いがあるといわれた子供さんや、姿勢異常を医療機関で指摘された子供さんの相談にのっております。学校通学のことを考え、午後診療にしております。成人の脊柱変形の相談にも応じています。
担当医師は、日本側弯症学会で理事の要職を務める、この領域で国内外をリードしている専門家です。

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