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【第4回】パーキンソン病は何年で寝たきり?

 サロン・ド・PD 第4回は、「パーキンソン病は何年で寝たきり?」という題でお届けします。

 患者さんに「あなたの病気はパーキンソン病の可能性が高いです。」と、お話しすると、「先生、何年で寝たきりになるのですか?」という質問が、必ず返ってきます。

 パーキンソン病の重症度を表すのに、ヘーン・ヤールステージがあります。病気のステージは1~5まであります。先に結論をお話しすると、パーキンソン病の患者さん、みなさん全員がステージ5になるということはありません。また、ステージとステージの間の進み方もひとそれぞれです。ほとんどの患者さんは、15年経っても中等症にとどまるというデータがあります。

そもそも、無動、筋強剛、振戦の出現でパーキンソン病は診断されますが、これも最初から3つすべてが揃っているとは限りません。

なぜ、このように個人差が大きいのでしょうか?それは、パーキンソン病が、単一の病気ではないからです。パーキンソン病は、遺伝要因と環境要因の相互作用で発症します。しかし、その組み合わせは千差万別です。薬物に対する反応性にも個人差があります。治療内容や治療への反応性が異なれば、病気の経過においてさらに個人差は増します。

パーキンソン病の患者さんは、多くが寝たきりにはなりません。むしろ、経過が長くなった時には、高齢化という観点からも対応しなければならないということになってきます。

2021年6月17日
北海道医療センター
難病診療センター 菊地誠志

パーキンソン病セカンドオピニオン外来 毎週火曜日 午後9時~午後11時まで


担当医師は、パーキンソン病などの神経変性疾患および免疫性神経疾患を専門とする当院名誉院長の菊地医師が担当します。 菊地医師は、2002年、2011年、2018年の日本神経学会パーキンソン病治療ガイドライン作製委員会に委員として参加するなど、本邦におけるパーキンソン病診療に関する指導的立場にあります。また、政策医療ネットワーク/パーキンソン病の精神症状(認知症・うつ・幻覚)の実態調査とQOL向上への提言(独立行政法人国立病院機構)メンバー、パーキンソン病関連疾患であるジストニアの疫学・診断・治療法に関する総合的研究班(厚生労働省)研究協力者としても活躍しました。パーキンソン病および関連疾患の領域に精通しています。


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