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【第7回】パーキンソン病でうつになった?

 サロン・ド・PD第7回は、「パーキンソン病でうつになった?」という題でお届けします。「わたしはパーキンソン病ではないでしょうか?」と受診されたとき、すでに、気分が落ち込んでいることを訴える患者さんがいます。パーキンソン病の薬物治療が始まり、運動症状の改善を認めても、「どうも気持ちが滅入ってしまって」と話す患者さんもおります。今回は、パーキンソン病における「うつ」について考えてみたいと思います。

 パーキンソン病の症状に、表情がとぼしい、小声で抑揚がない、動作がゆっくり、ということがあります。どれも、気分が落ち込んだひとのように見えます。つまり、パーキンソン病の患者さんは、みんなうつっぽい。一方で、パーキンソン病の患者さんは、うつっぽく見えるだけ?という考えもでてきます。たしかに、パーキンソン病は、うつ病と間違われることは少なくありません。しかし、逆にパーキンソン病の患者さんにうつ症状が出現しても、気付かれないことがあり得るということにもなります。こちらの方が重大です。

 パーキンソン病患者さんにおいて、気分の変動は、よく観察されます。オフ時の気分の落ち込み、絶望感を訴える患者さんも少なくありません。

 パーキンソン病患者さんにうつ症状があらわれるのは、決してまれではありません。むしろ、そこが、パーキンソン病と付き合っていく出発点と云えます。

 うつの治療においては、まず第一に、パーキンソン病の治療が最優先です。薬もありますが、忘れてならないのが運動です。治療にあたっては、パーキンソン病の治療に自らが参画しているという、自己効力感が重要です。

 気分が落ち込んで、とてもつらいというときには、精神科の先生に相談することもあります。いろいろな人の力を借りて、充実した療養生活を目指しましょう。

2021年9月27日
北海道医療センター
難病診療センター 菊地誠志


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