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【第8回】パーキンソン病と栄養・何を食べたらいいの?

 サロン・ド・PD 第8回は、「パーキンソン病と栄養・何を食べたらいいの?」という題でお届けします。患者さんのほとんどが、「パーキンソン病に良い食べ物は何ですか?」と質問します。「食」は、最大の関心事とも云えますから当然のことです。

 WHO世界保健機関が、2020年、「健康的な食事」の詳細を発表しました。「健康的な食事」は、糖尿病、心臓病、脳卒中、がんの予防に有効であるとし、その内容は、次のようになっています。①総脂肪は総エネルギー摂取量の30%を超えてはならない。②砂糖などの摂取を総エネルギー摂取量の10%未満とすること。③食塩摂取量を1日5g未満(1日2g未満のナトリウム摂取量に相当)とすること。

 食事と認知症については、最近、地中海食が認知機能の低下、海馬の萎縮を抑制するという論文が発表されました。一方、WHOが、2019年に発表した認知症予防ガイドラインで、特筆すべきは、「いわゆるサプリメントの有効性は明示されていない。」と、述べていることです。

 サプリメントのパーキンソン病への効果については、抗酸化作用の観点から試みられることが多いようです。コエンザイムQ10、水素水については、精密な試験が行われましたが、有効性を証明することはできませんでした。サプリメントには、効果を推測させる理論をいくつも列挙することが可能ですが、薬物と同程度の確実な方法でそれを証明したものはありません。

 パーキンソン病の症状を直接改善する食べ物は何でしょう。レボドパを含有する八升豆は、当然のことながら、運動症状を改善します。しかし、いくつかの理由から薬物として使用することはお勧めできません。

 食事とパーキンソン病の進行抑制の関係でいうと、「健康的な食事」、「地中海食」は、高血圧、糖尿病などの成人病の予防・進行抑制を介して、間接的にパーキンソン病の進行を抑制するであろうことが推測されます。

 糖尿病のコントロールはしっかりしましょう。興味深いことに、糖尿病の薬のいくつかは、薬自体の直接の働きとして、パーキンソン病の進行抑制に有効かもしれないということで治験が進められています。

 最近話題の腸-脳連関に触れます。フレイル/サルコペニアと加齢、パーキンソン病の高齢発症についてもお話しします。

 栄養補給は、「食べたい」から始まる!そのためには、食を楽しむことが肝要です。「食べることができる」というのも重要です。そして、何を食べるかというと、いろいろなものをモリモリ食べる。薬もしっかり服用して、いっぱい運動しましょう。運動は、食べたい、食べられるにつながり、好循環が生まれます。

2021年10月29日
北海道医療センター
難病診療センター 菊地誠志

パーキンソン病セカンドオピニオン外来 毎週火曜日 午後9時~午後11時まで


担当医師は、パーキンソン病などの神経変性疾患および免疫性神経疾患を専門とする当院名誉院長の菊地医師が担当します。 菊地医師は、2002年、2011年、2018年の日本神経学会パーキンソン病治療ガイドライン作製委員会に委員として参加するなど、本邦におけるパーキンソン病診療に関する指導的立場にあります。また、政策医療ネットワーク/パーキンソン病の精神症状(認知症・うつ・幻覚)の実態調査とQOL向上への提言(独立行政法人国立病院機構)メンバー、パーキンソン病関連疾患であるジストニアの疫学・診断・治療法に関する総合的研究班(厚生労働省)研究協力者としても活躍しました。パーキンソン病および関連疾患の領域に精通しています。


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