2025年11月 栄養管理室
栄養管理室では、月に1度小児患者様へ手作りのおやつを提供しています。
入院は普段の生活環境から離れ、行動や食事が大きく制限されます。また、検査や治療行為にも身体や精神に負担を伴うものがあり、子どもの受けるストレスは多大なものとなります。当院の小児科病棟では、入院期間が1ヵ月以上となる子もおり、上述の通りかなりのストレスを抱えている場合が多いです。
そこで、入院生活の中で少しでも特別感を感じてもらえたらと考え、病児の状態に合わせた手作りおやつの提供を始めました。手作りおやつの内容は焼き菓子やゼリーなど多岐にわたります。消化器疾患の子には消化に易しいおやつ、糖尿 病がある子には血糖値への影響が少なくなるように糖質の量を調整、アレルギーがある子には乳製品や卵を使用しないなど、手作りだからこそできる、その子に合わせて材料や分量を調整したおやつを提供しています。また、夏には清涼感のある冷たいゼリー、ジャックオランタンの顔を描いたかぼちゃのカップケーキ、クリスマスはイチゴとクリームでできたサンタさんを添えたケーキ、バレンタインにはチョコレートブラウニーなど、入院生活の中でも季節感や行事を少しでも感じてもらえるような内容を心がけています。
実際に子ども達にはとても好評で、ご家族からも「作り方を教えて欲しい」などお言葉を頂いています。特にドーナツは人気であり病室に伺う度に、「また作って!」とお願いされたこともありました。また、手作りおやつがきっかけで食べてみようという意欲に繋がり、苦手な食感の食品を克服できたケースもありました。
今年度は、野菜を使用したおやつの提供を始めました。入院中の子ども達や、ご家族と関わる中で野菜が苦手な子が多数いることを実感しており、野菜を食べるきっかけにすることができたらと試行錯誤しています。今年の5月にはキャロットケーキを提供し、「にんじんが入っているなんて気がつかなかった!」と、嬉しいお言葉を頂きました。今後もこの活動を通じて、食育にも繋がればと考えています。(文:管理栄養士 金井・木谷)



栄養管理室は統括診療部に属しており、疾病治療の一環としての栄養管理(患者給食、栄養管理計画の実施、栄養指導、教育)を行っています。