新生児・乳児期にみられる胆汁うっ滞・肝炎の重要な原因として、シトリン欠損症やPFIC(進行性家族性肝内胆汁うっ滞) が挙げられます。これらの疾患は、21世紀に入り診断体系が大きく進歩し、とくに日本人研究者の貢献により理解が深まってきた小児肝胆道疾患の領域です。シトリン(SLC25A13)はミトコンドリアトランスポーターであり、その機能異常が病態の中心にあります。トランスポーター異常症としての病態理解に加え、マススクリーニングにおける位置づけや臨床対応についても解説します。さらに、分子病態の解明が進んでいるPFIC について、道内症例をもとに最新の知見をご紹介します。
北海道医療センター 小児遺伝代謝センター
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先天代謝異常症は、小児医療の中で欠かせない分野のひとつです。現在では 、新生児マススクリーニングの導入によって、世界中の多くの子どもたちが重い病気の発症を防ぐことができるようになっています。また、代謝クライシスを起こしてしまった場合でも、早く診断し、適切な治療を始めることで命を救えるケースが増えてきました。
近年ではタンデムマススクリーニングの導入、網羅的遺伝子検査の発展、新しい治療法(酵素補充療法に限らずさまざまな選択肢)など、この分野の科学的知見はますます広がりをみせています。それに伴い、一般小児科医が日常診療で知っておくべきことも増えてきています。
こうした背景のもと、先天代謝異常症の分野は今後さらに専門性が高くなると予想されますが、それがかえって敷居を高くしてしまい、興味を持つ若手医師が減ってしまうことも危惧されます。
そこで道内3大学の小児科長が議論を行い、先天代謝異常症についてエキスパートから学ぶ定期勉強会を企画しました。多くの小児科医の先生方にご参加いただき、日常診療に役立つ“代謝リテラシー'を身につけていただければと考えています。専門的な分野に感じられるかもしれませんが、基本的な知識から丁寧に学べる機会です。ぜひご視聴ください。
【問い合わせ】北海道医療センター小児神経内科 メール・北海道大学小児科 メール 阿部 二郎
※各回をクリックすると詳細・アーカイブが見られます
| 日 程 | テーマ | 講 師 |
|---|---|---|
| 第12回(2026/3/24) | ミトコンドリア病と関連疾患を学ぶ | 牧山暉祥先生(北海道医療センター) 鈴木涼太先生(北海道大学病院) 板橋 立紀(北海道大学病院) |
| 第11回(2026/2/24) | ライソゾーム病遺伝カウンセリングの実際と新規ライソゾーム病 | 志賀麻衣子先生(手稲渓仁会病院) 中久保佐千子先生(北海道大学病院) |
| 第10回(2026/1/27) | 道内のマススクリーニング体制と新規ライソゾーム病 | 三浦真之先生(北海道薬剤師会公衆衛生検査センター ) 境峻輔先生(北海道医療センター) |
| 第9回(2025/12/23) | シトリン欠損症と胆汁うっ滞性疾患 | 阿部二郎先生(北海道医療センター・北海道大学) 木村亘佑先生(岩見沢市立病院) |
| 第8回(2025/11/25) | ホモシスチン尿症ー診断に見落としはありませんか?ー | 藤島朱理先生(北海道医療センター) 板橋 立紀 先生(北海道大学病院) |
| 第7回(2025/10/28) | ⾼ガラクトース⾎症ー⾒逃せない疾患が隠れていますー | 長尾 雅悦 先生(北海道医療センター) 板橋 立紀 先生(北海道大学病院) |
| 第6回(2025/9/30) | アミノ酸代謝異常ーフェニルケトン尿症を知っていますか?ー | 須永 彩佳 先生(北海道医療センター) 村田 明子 先生(北海道医療センター) |
| 第5回(2025/8/9) | 出張先天代謝異常学会セミナーin北海道 〜“見逃さない力”を育てる!先天代謝異常症診療への招待〜 |
村山 圭 先生(順天堂大学) 窪田 満 先生(成育医療センター) 武田 充人 先生(北海道大学) 中村 公俊 先生(熊本大学)他 |
| 第4回(2025/7/22) | CPS1欠損症の2症例発表とQ&A | 中久保 佐千子 先生(北海道大学) 斉藤 翔太 先生(道立子ども総合医療・療育センター) |
| 第3回(2025/6/24) | 代謝救急(3)高アンモニア血症を徹底解説!2本立てシリーズ | 長尾 雅悦 先生(北海道医療センター) |
| 第2回(2025/5/27) | 代謝救急(2)ケトン体 ~高ケトン・低ケトン血症と疾患~ | 長尾 雅悦 先生(北海道医療センター) |
| 第1回(2025/4/22) | 代謝救急(1)代謝性アシドーシス~乳酸上昇する疾患をめぐって~ | 長尾 雅悦 先生(北海道医療センター) |
北海道では唯一の先天代謝異常症などの遺伝性疾患の診療および遺伝カウンセリングを行う専門施設です。北海道、札幌市における新生児マススクリーニングでの検査コンサルティングを引き受けており、スクリーニング陽性者に対しての、精査・診療を行っています。こどもの病気は、原因がよくわからない身体発育や精神発達の遅れを示すことがよくあります。その中に、先天性代謝異常症、神経変性疾患などの様々な遺伝的な病気が含まれております。国内の専門機関と協力して、代謝産物の分析、染色体検査、遺伝子診断などを行っています。