関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎・多発性筋炎、高安動脈炎、側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)・結節性多発動脈炎・顕微鏡的多発血管炎・好酸球性肉芽腫性多発血管炎(アレルギー性肉芽腫性血管炎・チャーグ・ストラウス症候群)・肉芽腫性多発血管炎(ウェゲナー肉芽腫症)といった全身性血管炎症候群、シェーグレン症候群、ベーチェット病、混合性結合織病、リウマチ性多発筋痛症、再発性多発性軟骨炎、RS3PE症候群等の膠原病およびその類縁疾患
これらの疾患は、関節に炎症を起こすのみならず、眼や皮膚、神経系、筋肉、肺、心臓、腎臓、消化器等の多彩な臓器に障害が及ぶことがあります。当院では、整形外科、眼科、皮膚科、脳神経内科、精神科、耳鼻咽喉科、呼吸器内科・外科、循環器内科、腎臓内科、消化器内科、糖尿病・脂質代謝内科、外科等、院内各科と連携をとり診療を行っております。
関節超音波検査、関節MRIを初めとしたMRI検査、CT検査、RI in vivo検査等を、診断・病気の重症度の評価、治療効果の判定に活用しております。
関節リウマチを初めとする膠原病の治療には、抗リウマチ薬や副腎皮質ステロイド剤が用いられてきましたが、これらの治療で十分な効果が見られない場合には、免疫抑制剤による治療を必要に応じて併用し、望まれる治療効果が、最小の副作用のリスクで得られるよう、治療プランを検討し、診療に当たっております。
関節リウマチの治療においては、2002年に日本で最初の生物学的製剤レミケードによる分子標的治療が始まってから、その劇的な治療効果により治療プログラムを立てる考え方が大きく変わってきました。当院でも、現在市販されている点滴や皮下注射による新しい治療薬、生物学的製剤(レミケード、アクテムラ、オレンシア、エンブレル、ヒュミラ、シムジア)や、新しい抗リウマチ薬による治療を必要に応じて行っており今後新たに発売される治療薬についても適時対応していく予定です。生物学的製剤の点滴治療が外来で可能な方には、外来化学療法室にて担当看護師の管理の下に行っています。皮下注射による治療を自宅でご希望される方には、自己注射の指導を行っております。
氏名・職名 | 認定資格 | 主な専門分野 |
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おだに としお 小谷 俊雄 医長 感染対策副室長 |
日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医 日本臨床免疫学会免疫療法認定医 ICD (インフェクションコントロールドクター) |
リウマチ・膠原病疾患全般 臨床免疫 |
えぐち こうへい 江口 耕平 医師 |
日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医 日本内科学会認定内科医 |
リウマチ・膠原病疾患全般 |
関節超音波検査、関節MRIを初めとしたMRI検査、CT検査、RI in vivo検査等
2023年度臨床研究業績一覧(原著・講演・学会発表)
関節リウマチは、多数の関節において滑膜に炎症を起こし、軟骨や、腱、骨を徐々に破壊し、進行すると関節の変形や、機能障害を起こしてくる疾患です。その結果、ADLの著しい低下を来すことが少なくありません。関節破壊が進行する前に、抗リウマチ薬や、生物学的製剤による必要な治療を行うことによりその進行を遅らせる、あるいは止めることができることがわかってきています。
多発性の関節の腫れと疼痛が続く病気は、関節リウマチのみではなく、変形性関節症や、関節リウマチ以外の膠原病、結晶性関節炎等いろいろありますが、原因がはっきりしていない多発性関節炎は、時に多彩な臓器障害を呈する膠原病の初発症状であることもあります。膠原病ではないか検索することも必要ではないでしょうか。
発熱は、風邪やインフルエンザ、気管支炎や肺炎、腎盂腎炎等の感染症、癌や白血病、悪性リンパ腫等の悪性新生物、時に内分泌疾患でも起こることはありますが、膠原病が見つかるきっかけになることもあります。原因不明の発熱が続くときや、発熱と共に発疹や皮膚潰瘍、末梢神経障害、中枢神経障害、漿膜炎等の臓器障害が出現してきたときには、膠原病およびその類縁疾患の可能性を考えることも必要です。