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外科・消化器外科

低侵襲手術センター

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外科・消化器外科の内視鏡手術について

●主な適応疾患

胆のう結石症、鼠径ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、胃がん、大腸がん、急性虫垂炎、十二指腸潰瘍穿孔、腸閉塞症、婦人科や消化器内科との合同手術など

●主な手術の件数と腹腔鏡手術の割合

外科の腹腔鏡手術は上記のとおり多くの手術に取り入れられています。2023年の主な術式の腹腔鏡下手術の割合をグラフで示します。当科ではほとんどの手術が腹腔鏡下に行われており、むしろ開腹手術はあまり行われなくなってきました。

外科 手術件数と腹腔鏡手術の割合
2023年の主な術式の腹腔鏡下手術の割合

●指導医が率いるチームプレイで高い安全性を確保

 当科には腹腔鏡手術の指導者資格である日本内視鏡外科学会技術認定医が3人在籍しており、腹腔鏡下手術には必ず関与するようにしております。2023年における胃がん、大腸がん手術後に再手術などを要した合併症はそれぞれ3%、0%と非常に低くなっております。

●外科の腹腔鏡手術例

◎全ての大腸癌に腹腔鏡手術を

 腹腔鏡手術の技術向上によりほぼ全ての大腸癌(結腸癌、直腸癌)に対して腹腔鏡手術を導入しております。腹腔鏡手術では、その拡大視効果により、開腹手術よりも繊細かつ出血が少なく、低侵襲で安全な手術を患者様に提供しております。

外科 腹腔鏡手術 例

◎進行胃がんや胃全摘も腹腔鏡下に

 胃がんにおいて推奨できる腹腔鏡手術は、胃がん治療ガイドラインおよび内視鏡外科診療ガイドラインではステージⅠ(早期がん)症例に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術のみとなっています。進行胃がんや胃全摘術に対する腹腔鏡手術は比較的高度の技術を要すること、周術期における安全性と長期予後に関してまだ不明であることからガイドラインでは今のところ推奨されていません。これらの症例に対する手術の適応は各施設の習熟度に応じて設けているのが現状です。当科では進行胃がんに対する腹腔鏡下手術や腹腔鏡下胃全摘術は安全性と根治性を十分に検討し、院内の倫理委員会の承認を得て実施しています。

◎おなかのヘルニアに対する腹腔鏡手術

 

 手術の既往や癒着、全身麻酔困難など腹腔鏡手術が不適切な場合を除いて、当科では、おなかのヘルニアに対しても体に優しい腹腔鏡手術を第一選択としています。鼠径ヘルニアに対しては腹壁内で手術を完結する内視鏡下のTEP法を行います。また腹壁瘢痕ヘルニアに対してもTEPを応用した内視鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術(eTEP Rives-Stoppa法/eTEP TAR: Transversus abdominis muscle release)を行なっています。腹腔内に入ることなく腹壁内にメッシュを留置するため、術後の腹腔内合併症の低減が期待できる理想の手術と考えております。興味のある方はおなかのヘルニア専門外来で一度ご相談下さい。

ヘルニア術後のキズ
ヘルニア術後のキズ

◎単孔式手術・減孔式手術

 腹腔鏡下手術の進化形として単孔式手術が全国の施設で徐々に行われるようになってきています。単孔式手術とは一般的には胆嚢摘出や虫垂切除などの小手術で行われ、臍の1か所のキズからすべての手術を行う方法です。当科では単孔式手術を応用し、従来の腹腔鏡下手術よりもさらにキズの数を少なく行う減孔式手術を早期の胃がんに行っています。

単孔式手術 減孔式手術

胃がん

直腸がん

外科・消化器外科では令和6年10月より胃、直腸領域のダビンチ手術を導入します。

~ ダ・ヴィンチだから実現できること ~
 消化器外科領域では、2018年に食道、胃、直腸領域でロボット支援下手術が保険収載され、現在では結腸や膵臓切除、肝臓切除まで適応が広がっております。ロボット支援下手術は腹腔鏡手術に比べ、手振れがなく、複雑で細やかな手術手技が可能となるほか、3次元による正確な画像情報を取得できるため、より安全で患者様への負担の少ない手術が可能となります。さらに手術中、術者は術野から離れて座り、良好な姿勢・視野で手術を行うことができるため、肉体的・精神的負担が軽減する術者にとっても優しい手術となっています。当科では3名の消化器外科専門医かつ内視鏡外科技術認定医が在籍しており、施設基準を満たし保険診療の適応となる胃、直腸領域において、患者様にとっての最善の手術を提供するため、学会の指針を遵守しながら、令和6年10月よりダビンチ手術を導入します。
当科導入術式
【ロボット支援下胃切除】
 ロボット支援下胃切除は、従来の腹腔鏡下胃切除と比較し、手術時間が長くなるものの、出血量は少なく、入院期間が短縮し、そして何よりも本邦においては術後合併症の減少が報告されております。その有用性から本邦では年々ロボット支援下胃切除が増加しており、2021年のアンケート調査では全ての鏡視下胃切除のうち、23%がロボット支援下に行われております。当科では胃癌手術のエキスパートを中心に診療に当たっており、安心して手術を受けて頂けます。
  • 適応術式:胃癌に対する幽門側胃切除、噴門側胃切除、胃全摘
ロボット支援手術のキズ 胃切除
【ロボット支援下直腸切除】
 ロボット支援下に腹腔鏡下直腸切除を行うもので、腹腔鏡下手術よりもさらに精細で精密な手術が可能となります。ロボット支援下直腸切除は従来の腹腔鏡下直腸切除と比較して、手術時間が長くなるものの、出血が少なく、開腹移行率が低く、術後合併症が少なく、入院期間が短縮する有用な術式です。それゆえに2024年の大腸癌診療ガイドラインでは『ロボット支援手術は直腸癌手術の選択肢の一つとして行うことを強く推奨する』とされております。2021年の本邦のアンケート調査では鏡視下直腸切除のうち、30%がロボット支援下に行われており、今後さらなる増加が予測されます。
  • 適応術式:直腸癌に対する直腸高位前方切除、低位前方切除、腹会陰式直腸切断術
ロボット支援手術のキズ 直腸切除
今後の展望
 ロボット支援下直腸切除に続き、大腸癌診療ガイドラインでも選択肢の一つとして推奨されている、結腸癌に対しても順次導入していきます。 また現段階では保険収載されていませんが、欧米では急速に普及しつつあり、今後保険収載が期待される鼠径ヘルニアに対するロボット支援下手術も保険外での自費診療にて導入する予定です。さらに、当科では腹壁瘢痕ヘルニアに対する鏡視下手術を積極的に行っておりますが、その中でもロボット支援下手術が最善と考えられる症例が数多く存在します。腹壁瘢痕ヘルニアに対するロボット支援下手術は現状では自費診療になりますが、患者様・術者にとって従来の鏡視下手術よりも理想の手術を提供できるものと考えております。 腹部ヘルニアの患者様でロボット支援下手術に興味がありましたら、一度 おなかのヘルニア専門外来 までご相談ください。

〒063-0005
札幌市西区山の手5条7丁目1番1号

受付時間(月〜金曜日)
【午前】8:30~11:00【午後】1:00~ 3:00

※午後診療は再診予約のみとなります。

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