腎臓病コラムではカリウム(K)について取り上げます。カリウムとは体にたくさんあるミネラルです。主に細胞の中にあります。カリウムは細胞の中にたくさんあり、細胞の外は少ないです。
細胞内 150mEq/L 細胞外
4mEq/L=血液中
血清カリウム値は5mEq/L以上が高カリウム血症となります。
腎機能が低下すると血液中の「カリウム」が高くなります。飲食で体の中に入ったカリウムは、主に尿として捨てられます。腎機能が低下してくると尿で捨てられるカリウムの量が減ります。 そのために血液中のカリウム値が高くなります。また体が酸性になってもカリウム値が高くなります。多少カリウムが高くても自覚症状はありません。血液検査をしないとカリウムが高いかどうかわかりません。
カリウム値が高くなるとなにか問題が起こるのでしょうか?
カリウムが高くなりすぎると不整脈が出現して最悪心臓が止まります。
カリウム値は5mEq/Lを超えると高いです。
6mEq/Lを超えてくると危険です。
カリウム値を下げる必要があります。
❶食べ物・飲み物 ❷薬 です。
口から入ってくるカリウムの量をへらすとカリウム値も下がります。腸のなかでカリウムをくっつけて便として捨てる薬を服用してもカリウムは下がります。 血液を中性に戻す薬を使ってもカリウムは下がります。腎機能が悪くてカリウムが高い方は、飲食物のカリウム量を気にする必要があります。
2021年4月16日
北海道医療センター
腎臓内科 医長 柴崎 跡也
慢性腎臓病の悪化による透析導入患者数はいまだに減少していず、厚労省は年間の新規透析導入患者数を35,000人以下にするという数値目標を設定し、全国の医療機関で慢性腎臓病の重症化予防に取り組んでいます。当院は西区の腎臓内科施設として、慢性腎臓病の重症化予防に力を入れ、病診連携を行っております。