今回はカリウムが高くならないように飲食で気をつけなければならないことについて解説します。健康な成人はどのくらいカリウムをとったらいいのでしょうか。
男性 2,500mg/日 女性 2,000mg/日(日本人の食事摂取基準2020年より)
腎機能が悪い方はどうでしょうか。
推定腎機能 30-44:2000mg以内 推定腎機能 29未満:1500mg以内(慢性腎臓病の食事療法基準2014より)
いちいち食事のカリウム量を毎日計算するのは大変ですね。カリウムはほとんどの食物に含まれていますから。では、カリウムを摂りすぎないようにどのように気をつけたら良いのでしょうか。
食事以外の食べ物としては、デザート(果物)があります。 果物はカリウムが多いのです。
バナナ 1本 126g 454mgバナナは1本食べるとかなりカリウムを摂取することになるので、要注意です。「旬だから」
    
    「もらいものだから」
    
    などと言って、果物を多く食べると危険ですよ!
    
    果物はカリウム量を考えながら少量食べましょうね。 
  
 果物はジュースとして飲む方も多いですね。 
    
    トマトジュース 200ml 546mg 
    100%オレンジジュース 200ml 378mg 
    
    ジュース類も1パック飲むと結構カリウムを摂取することになるので要注意です。
    
    
  
 野菜もカリウムが多いです。とくにいも・かぼちゃは多いです。
        
        じゃがいも 100g 330mg(ゆで)
        さつまいも 100g 540mg(焼き)
        フライドポテト 100g 660mg 
        かぼちゃ 100g 480mg(ゆで) 
        
        フライドポテトはカリウムがとても多いので、少しだけ食べましょうね。
        
        葉物野菜は、茹でこぼしをするとカリウム量が半分以下になるので、
        できるだけ生ではなく、茹でこぼししてから食べましょう。
        
        茹でこぼしについては、当院のyoutubeチャンネルに動画がありますので、参考にしてくださいね。 
一生懸命カリウム摂取量を減らしていてもカリウム値が高い方がいます。その場合は、3日分くらいの食事内容を書き出してもらい、栄養指導を受けてもらいます。そうすると自分では気づかない食品で結構カリウムを多くとっていたことを指摘されるかもしれません。もしくは、食事量が多いためにカリウム摂取量が増えていることを指摘されるかもしれません。
*当院では「カリウムコントロールのすすめ」という小冊子を作成しています。ダウンロードできますので、参考にしてみてくださいね。
2021年4月16日
    北海道医療センター
    腎臓内科 医長 柴崎 跡也
慢性腎臓病の悪化による透析導入患者数はいまだに減少していず、厚労省は年間の新規透析導入患者数を35,000人以下にするという数値目標を設定し、全国の医療機関で慢性腎臓病の重症化予防に取り組んでいます。当院は西区の腎臓内科施設として、慢性腎臓病の重症化予防に力を入れ、病診連携を行っております。