腎臓にできる癌には、腎の実質である尿細管が癌化増殖してできる腎癌と、腎盂や腎杯などの尿の流れ道の粘膜が癌化増殖してできる腎盂癌があり、その性質や治療法にそれぞれ違いがあります。ここでは腎癌について述べます。
わが国で2017年に腎癌と診断された人は約29,500人と推定されています。診断時の年齢は60歳以上が多いですが、稀に50歳以下の比較的若年者に腎癌が発見されることもあり、その場合は遺伝性疾患と関連している場合があります。
腎癌と診断されて5年後に生存している人の割合(5年生存率)は約65%ですが、腎臓に限局している癌であれば約90%近く生存を見込めるのに対して進行癌だと10-15%程度となってしまいますので、進行する前に腎癌を発見するのがとても重要になります。