CTは、コンピューター断層撮影(Computed Tomography)の略で、身体にX線を照射し通過したX線量の差をデータとして集めコンピューターで処理することにより、身体の中の様子を横断面(輪切り)にした画像を映し出す検査です。また、専門の画像処理コンピューターにより、横断面(輪切り)だけではなく様々な方向の三次元画像が作成し診断に活用されています。
当院では、脳出血などの頭部疾患から呼吸器疾患・腹部消化器疾患・婦人科疾患・心臓や大血管等の循環器疾患・外傷性救急救命などに対応している様々な検査が行われています。また、24時間365日救急救命に対応し、2台のCT装置が稼働しています。
2021年11月に導入されたCTは、最先端の臨床アプリケーションを多数搭載し、様々な検査において、高画質と被ばく低減の両立が実現できるようになりました。
2021年11月 Canon社 Aquilion Prime SP i -Edition 80列CTの2台に更新いたしました。 AI(人工知能)技術であるDeep Learningを用いて設計された画像再構成技術Advanced intelligent Clear IQ Engine(AiCE)が搭載されています。これにより、大幅なノイズ低減効果と空間分解能の向上が得られ、更新前の16列及び64列CT装置と比べて、被ばく線量の低減を実現できながら、高画質の画像及び短時間撮影が可能となりました。
また、2020年医療被ばく研究情報ネットワークより導入された診断参考レベル(DRLs2020)及び関連学会のガイドラインをもとに最適な撮影条件で被ばく線量を必要最低限にすることを実践しています。
●新しく搭載された金属アーチファクト低減技術(SEMAR)の紹介
CT検査で人工関節や義歯などからの金属アーチファクトに対して、SEMAR(再構成技術)を用いて画像処理することによって、金属アーチファクトによって診断情報が得られなかった部分の大幅な画質改善が期待できます。
肺がんは1年間に亡くなる人が7万5千人余り(2019年)と最も多いがんで、早期発見が重要です。従来の胸部単純X線検査による検診で発見される肺がんの大きさは、一般に2~3cm以上とされています。それに比べて、低線量肺がんCT検診では、より小さく、より早期の肺がんを発見することができると国内外の研究で報告されています。また、一般的な肺CT検査よりも少ない被ばく量(約4分の1程度)で肺CT検査が受けられます。
当院では、呼吸器内科医師(肺がん専門医師)と放射線診断専門医師により、CT画像を詳しく読影し診断をしています。
CT装置の寝台に仰向けに寝て、連続的に放射線を出すドーム状の中に入る事により撮影部位の360°の情報を得ることが出来ます。
上図のようにX線管球が被写体の周りをらせん状に回転してデータを収集しコンピューター処理することにより輪切りの画像を作り出す事が出来ます。
集団検診や一般撮影検査での胸部X線撮影などがありますが、得られるのは平面の画像(写真左)ですが、CT検査(写真右)では横断画像(輪切り)ですので、より詳しく体の中を知ることが出来ます
特徴として、撮影した横断画像(輪切り画像)を重ね合わせることにより横断面(輪切り)以外の方向からの画像を作成することが可能です。その他にも特定のもの(部位)だけを取り出し、3D画像を構築することも可能です。