tPA (ティーピーエー)とは 2005年から本邦で使用することができるようになった 脳の血管に詰まった血栓を溶かすことができる薬の名称です。飲み薬ではなく静脈注射で使う薬ですので、自宅では使えません。
突然、脳の血管が詰まって脳梗塞を疑う症状が出現しても、tPAを投与することにより 脳の細胞が死んでしまう前に血管が再開通することができた場合は 脳梗塞にならずに済むわけです。
症状を発症したすべての方にtPAが使用できるわけではありません。細かい条件が幾つもありますが、代表的なものを以下に記載します。
tPAが効を奏するのは 心房細動(不整脈の一種)が原因で、心臓から血栓が飛んできたことによって脳梗塞を引き起こす心原性脳塞栓の場合です。しかし、tPAを投与して症状が改善する方は 3人に1人と言われています。
当科では tPAで再開通が得られなかった場合に備えて、カテーテルを用いた血管内治療(血栓回収療法)を併用できるよう、1人でも多くの方が脳梗塞を防げるよう治療体制を整えています。
国立病院機構 北海道医療センター
脳神経外科 医長 下田祐介
(代)011−611−8111